空き家の片付け、
何から始める?
費用・手順・業者選びの
ポイントを解説
相続した実家や、親が施設に入った後の家を売却・活用しようとしたとき、最初に立ちはだかるのが「家の中の片付け」です。
長年暮らした家には、家具・家電・衣類・食器・仏壇・写真アルバムなど、膨大な量の荷物が残っています。「どこから手をつければいいかわからない」「一人では到底無理」と感じる方がほとんどです。
この記事では、空き家相談士の資格を持つ筆者が、空き家の片付けの手順・費用の目安・業者選びのポイントを、上里町・本庄市周辺の実例を交えてわかりやすく解説します。

この記事の内容
片付けを後回しにするとどうなる?
空き家の片付けは精神的にも体力的にも大変な作業です。「今度帰省した時にやろう」と先延ばしにする気持ちはよくわかります。しかし、後回しにするほど状況は悪化していきます。
荷物が傷んで処分費用が増える
空き家の中は湿気がこもりやすく、放置するほど家具や衣類にカビが発生します。カビだらけの家具はリサイクルに出すこともできず、すべて廃棄処分になるため、費用が余計にかかります。
害虫・害獣が発生しやすくなる
食品や紙類が残っていると、ゴキブリやネズミの温床になります。児玉郡エリアでは、山林に近い地域でハクビシンやアライグマが空き家に住み着くケースもあり、こうなると害獣駆除の費用まで上乗せされます。
売却のタイミングを逃す
「片付けが終わってから売りに出そう」と考えている間に、建物の状態が悪化し、売却価格が下がっていきます。片付けの遅れが、結果的に数十万円〜百万円単位の損失につながることもあるのです。
片付けの進め方 ― 5つのステップ
ステップ1:全体を把握する(まず見に行く)
最初にやるべきは、家の中の状況を確認することです。部屋数、荷物の量、大型家具・家電の数をざっくり把握します。スマートフォンで各部屋の写真を撮っておくと、業者に見積もりを依頼する際にも役立ちます。
ステップ2:残すもの・処分するものを分ける
すべての荷物を「残す」「処分する」「判断保留」の3つに分類します。特に重要なのが貴重品や重要書類の確認です(詳しくは後述します)。思い出の品は「判断保留」にして、一旦段ボールにまとめておくと、作業が止まりにくくなります。
ステップ3:自分でできる範囲を片付ける
衣類・食器・小物類など、自力で運べるものから片付けていきます。自治体のゴミ収集カレンダーを確認し、分別して出しましょう。上里町・本庄市の粗大ゴミ回収は事前予約制のため、早めに手配しておくことが大切です。
ステップ4:大型の荷物は業者に依頼する
タンス・食器棚・冷蔵庫・洗濯機・仏壇など、自力で搬出が難しいものは遺品整理業者や不用品回収業者に依頼します。家電リサイクル法の対象品(テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン)は、リサイクル料金が別途かかる点も覚えておきましょう。
ステップ5:清掃して引き渡し準備をする
荷物を搬出したら、室内の清掃を行います。売却を予定している場合は、ハウスクリーニング業者に依頼すると、内覧時の印象がかなり良くなります。特に水回り(キッチン・浴室・トイレ)の清掃は効果が大きいです。
費用の目安 ― 自分でやる場合と業者に頼む場合
自分で片付ける場合
費用は抑えられますが、時間と労力がかかります。遠方に住んでいる場合は、交通費や宿泊費も含めて考える必要があります。
| 費用の項目 | 目安 |
|---|---|
| 粗大ゴミ処分費 | 1点あたり200円〜2,000円程度 |
| 家電リサイクル料(4品目) | 1点あたり1,000円〜5,000円程度 |
| レンタカー(軽トラック) | 1日5,000円〜8,000円程度 |
| ゴミ袋・梱包資材 | 5,000円〜1万円程度 |
3LDK〜4LDKの一軒家を自力で片付ける場合、費用は5万〜15万円程度が目安ですが、週末に通いながら作業すると1〜3か月ほどかかることが多いです。
業者に依頼する場合
遺品整理業者に一括で依頼する場合の費用目安は以下のとおりです。
| 間取り | 費用の目安 | 作業時間の目安 |
|---|---|---|
| 2DK〜2LDK | 10万〜25万円 | 3〜5時間 |
| 3DK〜3LDK | 15万〜40万円 | 5〜8時間 |
| 4LDK以上 | 20万〜60万円 | 1〜2日 |
費用は荷物の量、建物の構造(2階建てか平屋か)、搬出経路の状況、処分品の種類によって大きく変わります。特に上里町・本庄市エリアの農家住宅は部屋数が多く、納屋や蔵がある場合はさらに費用がかかることがあります。
費用を抑えるコツ
業者に依頼する前に、自力で処分できるもの(衣類・書籍・小物類)をあらかじめ片付けておくと、搬出量が減って費用を大幅に抑えられます。「大物だけ業者に任せて、細かいものは自分で」というハイブリッド方式がコスパの良い方法です。
遺品整理業者の選び方 ― 失敗しない3つのポイント
ポイント1:必ず複数社から見積もりを取る
最低でも2〜3社から見積もりを取り、金額と作業内容を比較してください。1社だけの見積もりでは適正価格かどうか判断できません。現地での見積もり(訪問見積もり)を無料で対応してくれる業者を選びましょう。電話やメールだけの概算見積もりは、当日に追加料金が発生するトラブルの原因になります。
ポイント2:許認可を確認する
廃棄物の収集・運搬には一般廃棄物収集運搬業の許可または市町村からの委託が必要です。許可を持っていない業者は不法投棄のリスクがあります。見積もり時に許可証の提示を求めるか、自治体のホームページで許可業者一覧を確認してください。
ポイント3:作業内容と追加料金の条件を確認する
「搬出」「運搬」「処分」がすべて含まれているか、エアコンの取り外しや庭の荷物は別料金かなど、作業範囲を事前に確認しましょう。見積書に「一式○万円」としか書かれていない場合は、内訳の提示を求めることをおすすめします。
悪質業者にご注意ください
「無料回収」を謳いながら作業後に高額な追加料金を請求する業者や、回収した廃棄物を不法投棄する業者が残念ながら存在します。「安さ」だけで業者を選ぶのは危険です。適正な費用で、きちんと許可を持った業者を選ぶことが大切です。
片付けで見つかることがある「大事なもの」
空き家の片付けを進めると、思いがけず重要なものが見つかることがあります。処分する前に必ず確認してほしいものをまとめました。
不動産の権利証(登記識別情報)
不動産の売却時に必要になる書類です。仏壇の引き出しや金庫の中、タンスの奥から見つかることが多いです。紛失しても売却は可能ですが、代替手続きに費用と時間がかかります。
購入時の売買契約書
相続不動産を売却する際の取得費の証明に使う極めて重要な書類です。これが見つかるかどうかで、譲渡所得税の金額が数百万円変わることがあります。
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通帳・証券・保険証券
使われていない口座や、忘れられていた保険が見つかることがあります。故人名義の金融資産は相続財産に含まれるため、発見した場合は相続手続きに含める必要があります。
遺言書
タンスの引き出しや書斎の机の中、本の間に挟まっていたなど、意外な場所から見つかるケースがあります。自筆証書遺言の場合は、開封せずに家庭裁判所で検認手続きを行ってください。
現金・貴金属
タンスの奥、着物の帯の中、本のページの間、天袋の奥など、高齢者が現金を隠し持っているケースは珍しくありません。片付けの際は丁寧に確認しながら進めましょう。
上里町・本庄市周辺の片付け事情
農家住宅は荷物の量が多い
上里町・神川町・美里町の農家住宅は、部屋数が多い上に納屋や蔵を併設しているケースが多くあります。納屋には農機具や資材が大量に残っていることもあり、一般的な住宅の片付けよりも費用と時間がかかります。
実例 ― 上里町の農家住宅の片付け
上里町内の築50年・7LDKの農家住宅を売却するにあたり、残置物の片付けが必要になったケースです。母屋に加えて納屋が2棟あり、農機具や古い家具が大量に残っていました。
まずご家族で2回に分けて衣類や小物類を整理し、その後に遺品整理業者に大型家具・家電・農機具の搬出を依頼しました。業者の費用は約35万円でしたが、事前にご家族で細かい荷物を処分しておいたことで、当初の見積もり(約50万円)から大幅に費用を抑えることができました。
上里町・本庄市のゴミ処分のルール
上里町では粗大ゴミの戸別収集は事前予約制で、町の環境課に電話で申し込む必要があります。本庄市も同様に予約制です。いずれも回収日が限られているため、計画的に申し込むことが大切です。
また、本庄市児玉郡広域クリーンセンターに直接持ち込むことも可能です。大量の廃棄物がある場合は持ち込みの方が効率的です。ただし、受入品目に制限があるため事前に確認してください。
まとめ
空き家の片付けは、売却や活用の最初の一歩です。後回しにするほど荷物は傷み、費用は膨らみ、売却のタイミングを逃すリスクが高まります。
「家の中が荷物だらけで、どこから手をつけたらいいかわからない」という方は、まず現地の状況を写真に撮り、残すものと処分するものをざっくり分けるところから始めましょう。大型の荷物や大量の残置物は、信頼できる遺品整理業者に任せることで、時間と体力の負担を大幅に減らせます。
片付けの段取りから売却までの流れを一括でご相談いただくこともできます。「まず片付けをしてからでないと相談できない」と思い込んでいる方も多いですが、荷物がある状態のままでも査定・相談は可能です。お気軽にお問い合わせください。
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