相続不動産の名義が
祖父のまま
数次相続の解決手順を
わかりやすく解説
不動産の登記簿を確認したら、名義が祖父や曾祖父のままだった——。上里町・本庄市周辺では、こうした「数次相続」の状態になっている不動産が数多く存在します。
数次相続とは、最初の相続登記がされないまま、さらに次の相続が発生している状態のことです。世代を重ねるほど相続人の数が膨れ上がり、手続きが格段に複雑になります。
「名義が古いまま」ということは、売却も、解体も、賃貸も、何もできない状態に等しいのです。この記事では、相続診断士の資格を持つ筆者が、数次相続の仕組み・解決手順・費用をわかりやすく解説します。

この記事の内容
数次相続とは?なぜ起こるのか
数次相続とは、被相続人(亡くなった方)の相続登記がされないまま、その相続人もさらに亡くなっている状態のことです。
たとえば、祖父が亡くなった時に相続登記をせず、その後、父も亡くなったとします。この場合、不動産の名義は祖父のままで、祖父の相続と父の相続の両方を解決しなければ、現在の所有者(あなた)に名義を移すことができません。これが数次相続です。
なぜ数次相続が多いのか
2024年4月の義務化以前は、相続登記をしなくても罰則がありませんでした。そのため、「登記費用がもったいない」「手続きが面倒」という理由で登記をしないまま放置されるケースが非常に多かったのです。特に農家住宅が多い上里町・神川町・美里町では、先祖代々の土地がそのまま古い名義で残っているケースが珍しくありません。
数次相続を放置するとどうなるか
相続人がさらに増え続ける
時間が経つほど、各世代で相続が発生し、相続人の数は倍々に増えていきます。
相続人が増える例
祖父の代:子ども4人が相続人 → 4人
父の代:子ども4人がそれぞれ2人の子をもうけ、うち2人が死亡 → 相続人8人
現在:さらに次世代が加わり → 相続人15人以上
実際に当社が扱った上里町の案件では、曾祖父の名義のまま放置されていた農家住宅の相続人が20人以上に達していたケースがありました。
面識のない相続人と交渉が必要になる
いとこの子ども、再婚相手の連れ子の子どもなど、面識がまったくない人が相続人に含まれることがあります。連絡先の調査から始めなければならず、そもそも協力を得られるかどうかもわかりません。
相続登記の義務化で過料のリスク
2024年4月から相続登記が義務化され、過去の相続分も対象です。経過措置として2027年3月31日までに登記すればよいとされていますが、この期限を過ぎると10万円以下の過料の対象になります。
解決の手順 ― 5つのステップ
ステップ1:登記簿で現在の名義人を確認する
まずは法務局で不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を取得し、現在の名義人が誰になっているかを確認します。オンラインでも取得可能で、手数料は1通600円です。
ステップ2:相続人を全員特定する
名義人(被相続人)の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を取得し、法定相続人を確定します。数次相続の場合は、最初の被相続人だけでなく、途中で亡くなった相続人についても同様の戸籍調査が必要です。
これが数次相続の最も大変な作業です。本籍地が何度も変わっている場合は、複数の市区町村から戸籍を取り寄せる必要があります。上里町から東京、さいたま市、群馬県など、各地に請求を出すことになるケースもあります。
ポイント ― 法定相続情報証明制度の活用
戸籍を集めた後、法務局の「法定相続情報証明制度」を利用すると便利です。一度戸籍一式を提出すれば、法務局が相続関係を一覧にした証明書を発行してくれます。銀行口座の解約や登記の申請など、複数の手続きで使えるため、手間が大幅に減ります。
ステップ3:相続人全員で遺産分割協議を行う
相続人が確定したら、全員で遺産分割協議を行い、不動産を誰が取得するかを決めます。数次相続の場合、複数の相続をまとめた「数次相続の遺産分割協議書」を作成します。
相続人が多数の場合、全員が一堂に会して話し合うのは現実的ではありません。電話やメール、手紙でのやり取りが中心になります。協議書は郵送で回し、各相続人に署名・実印の押印と印鑑証明書の提出をお願いする形が一般的です。
ステップ4:相続登記を申請する
遺産分割協議がまとまったら、法務局に相続登記を申請します。数次相続の場合でも、最終的な取得者に直接名義を移す登記(中間省略登記)が一定の条件で認められるケースがあります。条件に合致すれば、登記の回数と費用を減らすことができます。
ステップ5:名義変更後、売却・活用を進める
相続登記が完了すれば、ようやく売却や活用の手続きに進むことができます。ここまでたどり着くのに数か月〜1年以上かかることも珍しくありませんが、逆に言えば、ここさえクリアすれば解決の道は開けます。
費用の目安
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 戸籍謄本の取得費用 | 1通450〜750円×必要数(数十通になることも) |
| 司法書士報酬 | 10万〜25万円程度(相続人の数・複雑さによる) |
| 登録免許税 | 固定資産税評価額の0.4% |
| その他(郵送費・印鑑証明取得費など) | 1万〜3万円程度 |
数次相続のケースでは、戸籍の数が非常に多くなるため、通常の相続登記よりも司法書士報酬が高くなる傾向があります。相続人が10人を超えるような複雑なケースでは、総額で20万〜40万円程度を見込んでおくとよいでしょう。
費用を惜しんで自分でやろうとするリスク
数次相続の戸籍調査や遺産分割協議書の作成を自分で行うことも制度上は可能ですが、実際には非常に複雑です。戸籍の読み取りミスや協議書の不備があると、法務局で申請が却下されてやり直しになります。数次相続の場合は、最初から司法書士に依頼する方が結果的に時間も費用も節約できることが多いです。
相続人が協力してくれない場合の対処法
連絡がつかない相続人がいる場合
住所がわからない相続人については、戸籍の附票を取得することで現住所を調べることができます。それでも連絡がつかない場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てる方法があります。
協力を拒否する相続人がいる場合
遺産分割協議に応じてくれない相続人がいる場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。調停でもまとまらない場合は審判に移行し、裁判所が分割方法を決定します。
相続人の中に認知症の方がいる場合
判断能力が低下している相続人がいる場合は、成年後見人の選任が必要です。後見人が本人に代わって遺産分割協議に参加します。
上里町・本庄市周辺の数次相続の実態
実例 ― 祖父名義のまま放置されていた上里町の農家住宅
東京都内にお住まいの60代の方から、上里町の実家について「売却したいが名義が祖父のままで困っている」とのご相談をいただきました。
調査の結果、祖父(30年前に死亡)の相続人は子ども5人。うち2人はすでに亡くなっており、その子どもたち(孫世代)を含めると、現在の相続人は合計12人。北海道から九州まで全国に散らばっていました。
提携の司法書士が戸籍調査と相続人への連絡を担当し、全員に事情を説明して遺産分割協議への協力を依頼。手紙と電話を組み合わせて連絡を取り、約6か月で全員の同意を得ることができました。その後、相続登記を完了し、売却まで含めて全体で約10か月で解決に至りました。
ご相談者は「祖父が亡くなった時点で登記しておけば、こんなに大変にならなかった。でも今やらなければさらに複雑になるところだった」とおっしゃっていました。
上里町・本庄市・神川町周辺では、先祖代々の農家住宅を引き継いできたご家庭が多く、名義が2世代・3世代前のまま放置されているケースが珍しくありません。相続登記の義務化を受けて、「今のうちに解決しておきたい」というご相談が増えています。
まとめ
不動産の名義が祖父やそれ以前の代のままになっている「数次相続」は、放置すればするほど相続人が増え、解決の難易度とコストが上がっていきます。
2024年4月からの相続登記義務化により、過去の相続も含めて登記が求められるようになりました。経過措置の期限(2027年3月31日)も迫っています。
解決の手順は「戸籍調査→相続人の特定→遺産分割協議→相続登記」です。手続きは複雑ですが、司法書士など専門家のサポートを受ければ着実に進めることができます。
「名義が古いまま」の不動産を放置していませんか?今が動く最善のタイミングです。まずは現状を確認するところから始めましょう。
名義の問題でお困りなら、まずはご相談ください。
提携の司法書士と連携し、戸籍調査から相続登記まで一貫してサポートいたします。
売却を前提としたご相談も歓迎です。
📞 事務所:0495-71-6568
📱 担当者直通:090-5437-4795
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